avatar

Tazapay、シリーズB延長で3600万ドル調達—Circle Ventures主導、新興国向けステーブルコイン決済の拡大へ

TazapayがシリーズB延長で3600万ドルを調達した。Circle Venturesがリードし、ステーブルコインを使ったクロスボーダー決済を新興国で広げる。従来の銀行送金は遅くてコストがかかる—そこを置き換えにいく。

avatarTazapay
5 months ago

TL;DR:

  • Circle Venturesがリード、Coinbase VenturesとCMT Digitalも参加。規制準拠のステーブルコイン基盤に張るクリプト系VCが揃った。
  • ターゲットはアジア、中南米、中東。銀行インフラが弱く、速い決済へのニーズが強い地域だ。
  • UAE、EU、香港でライセンス取得を進めている。
  • 年間取扱高100億ドル、オペレーションは損益分岐に到達。数字で実需を示している。
  • Swiftなど従来のクロスボーダー網は、ステーブルコイン勢の成長で圧力を受けている。

ラウンド概要:シリーズB合計3600万ドル

Tazapay(シンガポール拠点のクロスボーダー決済インフラ企業)は、2026年3月26日にシリーズB延長をクローズした。シリーズBの総額は3600万ドル。延長分はCircle Venturesがリードした。新規でCMT DigitalとCoinbase Venturesが入り、既存投資家のPeak XV Partners、GMO VenturePartners、January Capital、Ripple、Norinchukin Capital、ARC180、RTP Globalも参加。初回クローズは2025年8月だった。

年率換算の取扱高は100億ドル超、前年比300%成長。オペレーションは損益分岐点に達し、30カ国で1000社以上の企業・フィンテックと連携している。決済手段はステーブルコイン、リアルタイム決済、ACHを組み合わせる。

2020年創業。新興国での法定通貨→ステーブルコイン決済に注力し、従来型金融とデジタルアセットをつなぐ。ライセンスはシンガポール、カナダ、オーストラリア、米国で取得済み。UAE、EU、香港は申請中。アジア、中南米、中東など、既存の銀行システムが使いにくい地域で需要が伸びている。

| ファクト | 詳細 | |---|---| | プロジェクト | Tazapay | | セクター / カテゴリ | クロスボーダー決済 / フィンテック-Web3インフラ | | 資金調達ラウンド | シリーズB延長 | | 調達額 | 3600万ドル(シリーズB合計) | | 評価額 | 非開示 | | リード投資家 | Circle Ventures | | 主な参加投資家 | CMT Digital、Coinbase Ventures、Peak XV Partners、GMO VenturePartners、January Capital、Ripple、Norinchukin Capital、ARC180、RTP Global | | 未開示事項 | バリュエーションと延長分の内訳 |

投資家の視点:新興国の実需と規制対応

投資家の顔ぶれを見ると、規制準拠のステーブルコインインフラへの期待がはっきりわかる。Circle Venturesはエコシステム全体に投資しており、Tazapayのエンタープライズ向け法定通貨→ステーブルコイン決済を評価した。Rippleは初回シリーズBから継続参加で、ブロックチェーン送金への自信を示している。

資金の使い道は、UAE・EU・香港でのライセンス取得、アジア/中南米/中東/米州での営業拡大、AIを活用した決済基盤の開発。すでに70以上の市場でローカル回収・支払い、代替決済手段、仮想口座、コンプライアンス対応のステーブルコイン連携を提供している。

事業KPIは堅調だ。売上は3年連続で倍増。顧客はB2Bマーケットプレイス、ネオバンク、Web3企業が中心。事前入金不要の個別取引資金化モデルリアルタイム決済で、クロスボーダー特有の高コストと遅延を減らしている。

  • 投資家構成:Circle Ventures、Coinbase Ventures、CMT Digitalとクリプト系が並び、従来型フィンテック投資家と補完し合う形になった。
  • 資金使途:3つの主要法域でのライセンス取得と、需要の厚い地域での営業強化。明確だ。
  • 数字の裏付け:年間100億ドルの取扱高と300%成長。プロダクト/市場適合が進んでいる。
  • 競争軸:規制準拠のステーブルコインレールが、Swiftやコルレス網の遅さ・高コストに対抗する。
  • 日本への布石:GMO VenturePartners、Norinchukin Capitalとの関係が、国内決済手段と大企業開拓の足がかりになりうる。

規制面では、FATFが2025年6月にトラベルルールを含む仮想資産移転のコンプライアンス要件を更新した。1000ドル超のクロスボーダーステーブルコイン取引への要件が厳しくなるが、Tazapayは準拠支援をすでに実装済み。過去の資金調達は、2023年にSequoia Capital Southeast Asia(現Peak XV)がリードしたシリーズAで1690万ドル。今回までの累計は概算で約5800万ドル

要点:規制準拠のクロスボーダー決済インフラは、新興国で明確な需要がある。投資家の資金は流れ続けている。

Verdict: このテーマはまだアーリーステージ。規制準拠レールの構築と拡販フェーズなので、優位なのは決済・コンプライアンス・法域展開に強いビルダーと中長期目線のファンド。短期トレーダー向きではない。ただ、インフラ浸透が進めばエンタープライズ採用の加速余地は大きい。