avatar

Euclidが350万ドルのシード調達──ブリッジなしでチェーン間の流動性をつなぐ試み

Euclid Protocolがブリッジを使わずにチェーン間の流動性を統合する基盤を構築するため、350万ドルのシードをクローズした。KuCoin VenturesとGate Venturesが出資に加わり、テストネットでは1,800万件のスワップと月間35万ユーザーを記録。メインネットとトークンは2026年上期を目指す。

avatarEuclid Protocol
8 months ago

TL;DR:

  • 350万ドルのシードは、従来型ブリッジに代わるクロスチェーン解への需要があることを示している
  • KuCoin・Gateの出資は、取引所がこの流動性インフラに価値を見出しているサイン
  • テストネットで1,800万件のスワップ、月間35万ユーザーは初期トラクションとして悪くない
  • ロードマップはプライベートメインネット→パブリック→トークンまで2026年上期に計画
  • シードとしては妥当な規模だが、クロスチェーン基盤の開発コストを考えると資本効率が問われる

Euclid Protocol(ドバイ拠点、クロスチェーン流動性インフラ開発)が、KuCoin Ventures、Gate Ventures、Kahuna Network、ATOM Accelerator、0G Labsのほか非公開のエンジェルやLPから、350万ドルのシードラウンド(SeedおよびSeed Extended)を調達した。正式発表は2026年1月29日だが、資金は年初に入っている。bitcoin.com

仕組み──なぜブリッジを使わないのか

DeFiの宿題である流動性の断片化を、「Liquidity Consensus Layer(流動性コンセンサス層)」で解こうとしている。CosmosやEVM互換チェーン、Solanaのような非EVMまで、40超のネットワークにまたがる取引流動性を接続する。従来のアセットブリッジはカストディリスクや資本効率の問題を抱えるが、EuclidはVirtual Settlement Layer(VSL)と自前のEuclid Messaging Protocol(EMP)でクロスチェーンスワップを実装する。どの接続チェーン上のアプリからもグローバル共有流動性にアクセスでき、スリッページ低減と資本効率の改善が狙いだ。medium.com

| 事項 | 詳細 | | :--- | :--- | | プロジェクト | Euclid Protocol | | セクター / カテゴリ | クロスチェーン流動性インフラ | | ラウンド | Seed / Seed Extended | | 調達額 | 350万ドル | | バリュエーション | 非開示 | | リード投資家 | 非開示 | | 主な参加者 | KuCoin Ventures, Gate Ventures, Kahuna, ATOM Accelerator, 0G Labs | | 開示不足 | SeedとExtendedの内訳、明示的なリード投資家 |

テストネットの数字は気になる。クロスチェーンスワップは累計1,800万件、月間アクティブユーザーは35万人、LP預かり資産(TVL)は7,000万ドル規模。メインネット前に15万人超のコミュニティができている。

  • 出資者の顔ぶれ: クリプトネイティブVC(Kahuna)、取引所系ベンチャー(KuCoin Ventures, Gate Ventures)、エコシステムアクセラレータ(ATOM Accelerator)、インフラビルダー(0G Labs)。
  • タイミング: Founder/CEOのGeorges Chouchani氏いわく「チェーンやアプリはスケールと生存に流動性が不可欠だが、ネットワークが増えるほど、使える流動性へのアクセスは難しく高コストになる」。
  • 次のステップ: 本資金は最終開発フェーズに充てる。まずエコシステムパートナー向けのプライベートメインネット、その後パブリックメインネットとトークンローンチを2026年上期に計画。
  • 過去の調達: 2024年5月にGate VenturesとKahunaを含むプレシード60万ドルをクローズ。pitchbook.com

評価と含意

業界は依然としてクロスチェーンの資産移動に苦慮している。運用の複雑さとリスクが消えていない。Euclidは「ブリッジを増やす」のではなく「流動性レイヤーを統合する」方向に賭けており、インターオペラビリティ領域では少し違うアプローチを取っている。取引所系ベンチャーの参加は、彼らがサポートする複数エコシステムにまたがる流動性提供を簡素化できる基盤への期待だろう。テストネットのトラクションは初期PMFのシグナルとしてはまずまずで、調達規模もシードとしては妥当。ただし、この種のインフラ構築には開発コストがかさむ現実がある。

要点:チェーンが増え続けるなか、ブリッジ代替となる統合型流動性レイヤーへの投資需要があることを示したシードラウンド。

Verdict: このテーマはまだアーリー。ビルダーと中長期志向のファンドが動きやすいフェーズで、トレーダーはメインネット/トークン公開後の実需とルーティング定着を見てから参加しても遅くない。