Eureka Labs、Ethereumブロックを「実行環境」に変える技術で670万ドル調達
テルアビブのEureka Labsがステルスから浮上。Spark CapitalとCollider Venturesがシードをリード。ブロックビルディング市場の96%を握る上位3社に挑む。
TL;DR:
- Eureka Labsが670万ドルのシード資金を調達。ブロック構築中にロジックを実行できる「プログラマブルブロック」を開発している。
- 上位3社が市場の約96%を占めるが、特化型ビルダーへの投資は続いている。
- 数秒間だけ成立する無担保ローン、ガス削減のための事前計算、オフチェーンデータの取り込み、トランザクション順序の保証などが実現可能になる。
- 実際に使われるかどうかは、開発者がワークフローに組み込むかどうか次第。
- Eurekaのシェアは約1.5%で第4位。既存大手との差はまだ大きい。
ステルス解除とブロックビルディングの新しいアプローチ
EthereumのブロックビルダーEureka Labs(テルアビブ拠点)は、2026年3月25日にステルスを抜け、シードで670万ドルを調達したと発表した。2024年12月の創業以来、同社は「プログラマブルブロック」に取り組んできた。トランザクションを詰めるだけの受動的な容器ではなく、ブロック構築中に任意のロジックを実行できる能動的なブロックだ。
具体的には、以下のような機能を想定している。
- インターブロック与信(1ブロック内の数秒だけ成立する実質無担保ローン)
- 事前計算によるガスコスト削減
- 構築中にオフチェーンデータを取り込み
- ブロック内でのトランザクション順序の保証
同社は既にEthereumブロックビルダーとして約1.5%のシェアを持ち、第4位につけている。小さく見えるが、上位3社が合計96%を占める現状では意味のある数字だ。CEOのNir Magenheimは、ブロックビルダーを実行レイヤーに近い存在へ進化させ、ブロックを受動的な容器から能動的な実行環境へ変えたいと話す。
| 事項 | 詳細 | |------|---------| | プロジェクト | Eureka Labs | | セクター/カテゴリ | Ethereumのブロックビルディングとインフラ | | 調達ラウンド | シード | | 調達額 | 670万ドル(2025年4月に470万ドル、2025年6月に200万ドルの2回に分けて実行) | | 評価額 | 非開示 | | リード投資家 | Spark Capital、Collider Ventures | | 参加投資家 | Varrock Ventures、Node Capital、Reverie、Very Early Ventures、Atka、Synergis、Masterkey、Scott Keto(CoinList) | | 発表日 | 2026年3月25日 | | 開示の欠落 | バリュエーションとトークノミクスの詳細は非開示 |
スキームはSAFEにトークンワラントを付与する形で、アーリーステージでは一般的だ。資金は技術開発と開発者への普及拡大に使われる。Dencun後のEthereumでは効率性やMEV最適化の重要度が増しており、ビルダーの影響力が及ぶ領域での差別化が問われる。
要点:
- ブロックを能動化する設計は、ビルド時の計算や順序確定を通じてコストと予測可能性を改善できる可能性がある。
- 市場は寡占状態(上位3社で96%)だが、第4位の1.5%は代替ルートとして無視できない規模。
- 価値が実現するかどうかは、開発者がどれだけ早くワークフローに組み込むかにかかっている。採用が最大のリスクだ。
集中市場への新規資本
Eurekaのケースは、集中した市場でも新規プレイヤーの余地が残ることを示している。従来のブロックビルディングは速度とオーダーフローが中心だったが、プログラマブルブロックは別の切り口で価値を提供する。開発者がビルド時に計算を走らせたり、トランザクションのシーケンスをロックできれば、スマートコントラクトの実行がより安価で予測しやすくなる可能性がある。
このラウンドは昨年2段階でクローズした。資金はEurekaの開発継続とシェア拡大に充てられる。
- Spark CapitalとCollider Venturesが共同リード。アーリーステージのテックとクリプトの知見を持ち込む。
- Varrock Ventures、Node Capital、CoinListのScott Ketoなど、クリプトネイティブと個人投資家が混在。
- 資金使途はエンジニア採用と、プログラマブルブロックの開発者ワークフローへの浸透。
- シェア1.5%はオルタナティブとしての存在感がある。ただしスケールが本当の試金石になる。
- 採用が進めば、Ethereumのオンチェーン実行の扱いが変わる可能性がある。ただし前提は採用だ。
規制やスケーリングの議論が続く中でも、Ethereumインフラへの投資意欲は持続している。Eurekaの「ブロック=プログラマブルな実行環境」という売り込みは、開発者の支持を得られれば意味を持つ。同社のサイトはサーチャーやビルダー向けに、低レイテンシや決定論的オーダリングといったツールを提示している。
一方で評価額は非開示で、条件の透明性は限られている。とはいえ投資家の顔ぶれは技術の方向性へのコミットを示している。焦点は、既存の大手に対して実際にオーダーフローを拡大できるかどうかだ。
結論: 投資家は、3社が支配する市場でもEthereumインフラの技術革新に賭けている。Eurekaの技術は有望だが、鍵は採用にある。
Verdict: このナラティブはまだアーリー段階。優位なのは、プログラマブルブロックを自社フローへ組み込めるビルダーやサーチャーと、インフラに張れるファンド。裁定トレーダーや受動的な長期保有者の優先度は低い。