Pharos、シリーズAで4,400万ドル調達──RWAトークン化の波に乗る
TradFi接続を掲げるモジュラー型L1が、ChainlinkとFlow Tradersを含む投資家から資金を確保。暗号と従来金融をつなぐプロトコルへの投資意欲は衰えていない。
TL;DR:
- RWAトークン化への投資家の関心は健在。TradFi接続を売りにするL1としてPharosが資金を得た
- 高スループットな金融インフラへの需要がまだあることを示す調達
- ChainlinkとFlow Tradersが参加し、オラクルと流動性面での実行力が期待される。ただしリード投資家とバリュエーションは非開示
- 資金の使い道も評価額も明かされておらず、実行リスクの判断材料は乏しい
- 短期間での連続調達は、三層アーキテクチャとリステーキング機能の開発が続いていることを示唆
PharosがシリーズAで4,400万ドルを調達
EVM互換のモジュラー型Layer-1を開発するPharosが、シリーズAで4,400万ドルを調達した。2026年4月8日の発表で、シード以降のラウンドに続く形だ。Pharosは実世界資産(RWA)のトークン化と従来金融(TradFi)との接続を狙っており、このテーマに資金が集まる流れの中での調達となる。
プロダクトはL1-Base、L1-Core、L1-Extensionの三層スタックに加え、Special Processing Networksとネイティブ・リステーキングで構成される。サブセカンドのファイナリティとクロスチェーン流動性で「リアルタイム金融アプリをスケールさせる」というのが売り文句だ。なお、調達した資金の具体的な使途は明かされていない。
投資家の顔ぶれ
SNZ Holdingはシードに続いて再び参加。新たにChainlinkとFlow Tradersが加わった。
- Chainlinkが入ったことで、RWAデータフィードに直結するオラクル連携の可能性が出てくる
- Flow Tradersはマーケットメイキングや高頻度取引の知見を持ち、流動性の整備に貢献しうる
- リード投資家とバリュエーションは非開示。キャップテーブルをフラットに保つ意図か、戦略的に曖昧にしているかは不明
過去の調達履歴
- 2024年11月:シードで800万ドル(Hack VCとFactionが主導。Chorus One、MH Ventures、Hash Global、Dispersion Capital、Legend Star、Generative Ventures、Reforge VC、SNZ Holdingが参加)
- 2025年9月:Yunfeng Financialによる戦略ラウンド(金額非開示)
- 2026年3月:非開示ラウンド
- 今回:シリーズAで4,400万ドル
累計調達額は少なくとも5,200万ドル。3月の非開示ラウンドから間を置かずに大型調達を決めており、資金調達のペースは速い。
基本情報(発表時点)
| 項目 | 内容 | |-------------------------|---------------------------------------------------------------------------| | プロジェクト | Pharos | | セクター/カテゴリ | Layer-1 Blockchain、Real-World Assets(RWA)、モジュラー&DA | | ラウンド | シリーズA | | 調達額 | 4,400万ドル | | バリュエーション | 非開示 | | リード投資家 | 非開示 | | 主要参加者 | SNZ Holding、Chainlink、Flow Traders | | 過去ラウンド | シード(800万ドル、2024年);戦略(非開示、2025年);非開示(2026年) | | 累計調達額 | 少なくとも5,200万ドル | | 発表日 | 2026年4月8日 | | 情報ギャップ | 資金使途、評価額、リード投資家は未公表 |
市場の文脈
RWAトークン化はWeb3で最も注目を集めているテーマの一つだ。Pharosは並列処理とクロスチェーン機能を武器に、この領域に正面から切り込もうとしている。Chainlinkの参加は将来的なオラクル連携を匂わせるが、具体的な統合計画はまだ発表されていない。
- SNZ Holdingは2024年のシードから続けて投資しており、モジュラー設計への評価がうかがえる
- ChainlinkはRWAデータの信頼性確保に直結する。RWA系プロトコルにとっては欲しいピースだ
- Flow Tradersは取引所間アービトラージや高頻度取引の経験があり、スループットと流動性を両立させる上で役立つ可能性がある
- 2026年3月の非開示ラウンドから間もない調達で、資金調達テンポは速い
- バリュエーション非開示のため、他のモジュラーL1と比較しにくい
気になる点
- 2024年以降の投資回復局面で、TradFi接続を謳うプロジェクトには資金が集まりやすい
- 一方で、直近のマイルストーンや資金使途が開示されておらず、実行計画の見通しは立てにくい
- とはいえ4,400万ドルあれば、三層アーキテクチャとリステーキング機能の開発を続けるには十分な runway がある
**要するに:**暗号と従来金融をつなぐL1に、投資家がまだプレミアムを払っているというデータポイントが一つ増えた。
**見立て:**このテーマはまだ初期段階だ。明確な統合やTVLの立ち上がりはこれからで、有利なのはRWA・オラクル・マーケットメイクで戦略提携を組めるビルダーとファンド。短期目線のトレーダーは、統合発表やオンチェーン指標など実需のシグナルが出るまで様子見が無難だろう。