Uniblock、520万ドル調達——300チェーン超を1つのAPIでつなぐ
トロント拠点のUniblockが520万ドルを調達。300超のチェーンを単一APIで扱えるインフラで、開発者のマルチチェーン対応コストを削減する。
TL;DR:
- Uniblockがアジア・米国・欧州の投資家から520万ドルを調達。累計で750万ドルに。
- 300超のチェーンと55のデータプロバイダを1つのAPIキーで扱える。ルーティングやフェイルオーバーはUniblock側が処理。
- AIエージェント向けのMCPサーバ、LLM用ドキュメント、Claude/Cursor統合など、AI開発ツールを差別化の軸に据える。
- 資金はチェーン対応拡大、ステーブルコイン・ウォレット・予測市場向けAPI開発に充当予定。
- Oku TradeはRPCトラフィックをUniblockに統合してコスト30%削減を報告。
300超チェーンを1つのAPIで
トロント拠点のUniblockが2026年3月31日、520万ドルの資金調達を発表した。同社は300超のブロックチェーンと55のデータプロバイダへ、単一インターフェースで接続できるマネージドレイヤーを提供している。ルーティング、フェイルオーバー、データ正規化といった面倒な処理はUniblock側が引き受ける。
CEOのKevin CallahanはCoinbaseとTwitter出身。CTOのDavid Liu、VP of EngineeringのJames Liuと共同で創業した。現在、Plume Network、Stellar Blockchain、Apechainなど3,000超のプロジェクトが採用しており、約4,000名の開発者がルーティングやAI連携ツールを使っている。
累計調達額は750万ドルに達した。2023年11月にはBlockchain Founders Fund、Cadenza、Side Door Venturesなどから230万ドルのプレシードを調達済み。今回のラウンドには地理的に分散した投資家が参加した。
| 事項 | 詳細 | |------|------| | プロジェクト | Uniblock | | セクター | Web3インフラ / ブロックチェーンAPI | | ラウンド | 非開示 | | 調達額 | 520万ドル(累計750万ドル) | | バリュエーション | 非開示 | | リード投資家 | 記載なし | | 主要参加者 | SBI Digital Asset Holdings, Alchemy, MoonPay, NGC Ventures, Blockchain Founders Fund, Stellar Development Foundation, Auros Global, Contribution Capital, CoinSwitch, Wave Digital Assets, AllianceDAO, Hustle Fund, AAF Management | | 過去ラウンド | 2023年11月:プレシード230万ドル |
資金調達と並行して、AI開発ツールも拡充している。AIエージェントがブロックチェーンデータへ直接アクセスできるMCPサーバ、LLM向けに書き直したドキュメント、ClaudeやCursorとの統合を提供。複数チェーンでトランザクションやデータ取得を行うAIエージェントにとって、単独プロバイダだけではカバレッジと信頼性に限界があるという問題意識がある。Oku TradeはRPCトラフィックをUniblockに統合し、コストを30%削減したと報告している。
投資家は何を見ているのか
バラバラなインフラの統合が本題だ。開発者はチェーンごとのRPC設定や各種統合に数カ月かかることがある。Uniblockは1つのAPIキーで3,000超のAPIにアクセスできるようにする。
調達資金の使い道は、チェーン対応の拡大、オーケストレーション基盤の拡張、ステーブルコイン・ウォレット・予測市場向けの新API開発。AIツールとエンタープライズ機能にも投資する。
- SBI Digital Asset HoldingsとAllianceDAOが参加し、日本市場とSolanaエコシステムとの接点が広がる。
- AlchemyとMoonPayの参加は、開発者ツールと決済領域からの関心を示す。
- Blockchain Founders Fundはプレシードに続いて追加投資。
- NGC VenturesとHustle Fundはアジア、インド、アーリーステージのネットワークを補う。
直近では、APIキー不要のパブリックMCPエンドポイントを公開した。AIエージェントがトークン残高、トランザクション履歴、NFT、マーケットデータを取得できる。StellarやApechain向けのマネージドRPC提供も始まり、既存プロジェクトとの実運用も進んでいる。
タイミングも見逃せない。規制市場でトークン化資産が流通し始め、AIエージェントがオンチェーンデータを扱うようになる中で、単一チェーン前提の設計では対応しきれない場面が増えている。
要点:マルチチェーン開発の複雑さを減らすツールに、投資家は引き続き資金を入れている。
Verdict: まだ早い段階のテーマ。AIエージェント×マルチチェーンの実需は立ち上がりつつあるが、短期で結果が出る局面ではない。エンタープライズ向けインフラを作れるビルダーと、この領域に張るファンドには追い風。短期トレーダー向けの妙味は薄い。長期で見るなら、対応チェーン数、稼働率、AIツール利用量の伸びをウォッチしながら判断する段階。